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ロンシャンと綱吉と(スカル)。
捏造設定苦手な方は注意。





「死んだら幸せになれますか」

件名なし。本文それだけの質問メール。差出人は登録されていないメールアドレスのためわからない。けれど、俺はそれが紫のアルコバレーノからのものだと確信した。理由なんてない。ただのボンゴレの超直感というもの。携帯電話を開いて黙り込んだ俺を不審に思ったのか一緒に午後のティータイム(と呼ぶほどものもでもないただの息抜きだ)を一緒にしていたトマゾのボスであるロンシャンが俺の携帯画面を横から覗きこんで絶句した。

そして携帯をひったくるように俺の手から奪い取るとかちかちと凄いスピードでメールを打つ。

「生きていたってしあわせになれるよ」

送信ボタンを押したと思うと俺の携帯電話を持ったまま部屋を飛び出した。慌てて後ろ姿を追い、廊下を競うように走る。目的地なんてお互い口にしなくても決まっていた。


待ってて!いますぐに幸せを届けに行くよ



(ロンシャンと綱吉と。うちのスカルはロンシャンに救われている捏造。ロンシャンと綱吉はお互いボスになっても仲良しだといい。)
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捏造スカルとコロネロ注意。





どうせなら笑いながら死を受け入れてやろうと思った。(だってもう疲れたし、痛いのも苦しいのも怖いのもたくさんだった。)それなのに、この人はまた邪魔をする。

「死ぬなよ」
「・・・冗談?」
「ふざけんな。負けてもいい。でも死ぬんじゃねぇぞ」

なんて酷い一方的な約束。嘘をゆるさない人との約束など違えられるはずもない。

「作戦失敗してもいい!散々他人の命を奪っておきながら自分の命は大切に!ですか」
「何が言いたい」
「軍人としてあるまじき発言ですよね・・・。先輩の上官が知ったらただじゃあ済みませんよ」
「うるせぇよ」

青筋を立てるコロネロ先輩にせめてもの報いを!と憎まれ口を叩くと刃物みたいに鋭い視線で睨まれた。「わぁ怖い」と身を竦ませて見せる。少し前まで死にたがっていた人間が何をしているんだろう。そんなことを考えていたら「それがお前だろ」と頭を小突かれた。割と本気で痛い。蹲って両の手で傷を擦る。腕の隙間から見えた焼け野が原。金色の太陽がきらきらと俺の世界を照らす。(あぁ俺の世界は今日もくだらない。そして美しい。)


焼け野が原にふたり



(昔に書いたのをリテイク。うちの捏造スカルは死ぬの怖いけど死にたがり。コロネロは照らす人のイメージが強い。)

M.Mとシャマル。
接点のないはずの二人を捏造。





「這いつくばって赦しを乞えば命だけはとらないでおいてやってもいいぜ」なんてどこのチンピラの台詞なんだかと笑いそうになる。口の端を歪めたことが気に障ったのか目の前に立つ男は次々と罵倒の言葉を繰り出した。「私がアンタに命乞いをすると思うの?」と問いかければ侮蔑の視線を感じ取ってか「その目が気にくわねぇんだよ!女の癖に!」と手を振り上げた。思わず身構えようとすると周りにいた男の部下が一斉に銃を構えたので舌打ちをしつつ、顔を伏せる。ぱあん、と乾いた音。左頬がジンジンと痛む。殴られた勢いで後ろに倒れそうになり2、3歩後退するとトン、と何かに当たり体を支えられた。驚いて振り返ろうとすると、頭上から聞き覚えのある声が降ってきた。

「なにしてるんだ」
「・・・アンタ・・・?」

何故ここにこの男がいるのか。自分の肩に手を添えて支えてくれているのは殺し屋家業の間では有名人であるトライデント・モスキートの使い手で、以前何度か一緒に仕事をしたこともある相手だった。冷たい笑みを浮かべて先ほどまで優位に立っていた(今は棒立ちになって唖然とした表情をしている)男に向けて問いかける。

「女の子に手を挙げるなんて感心しねぇな」
「ドクター・・・シャマル」
「何故お前がここに!」

明らかに狼狽している男を横目にシャマルは私を後ろに押しやる。男の護衛達が次々に呻き声をあげると血反吐を吐いて倒れた。種は知っていても目の当たりにすると恐ろしい技だと思う。シャマルが焦りを隠さない男の胸倉を乱暴に掴みあげるとヒッ、と息を呑むような悲鳴が聞こえた。

「まったくかわいこちゃんの顔を殴るなんてどんな神経しているんだか」
「お前、には関係がないだろうが」
「顔に痕でも残ったらお前、一回殺すじゃ許さないぞ」
「なっ、あいつ、が」
「黙れ」
「ドクター、そいつを離してあげて頂戴」

萎縮していた男が私の言葉を聞いてシャマルに掴まれたままこちらを見、そして凍りついた。それもそのはず、私のことを知っているのなら、私の武器についても調べがついているはずだ。不思議な造りをしたクラリネット。奏でるのは死への誘い。私の意図を察したのか、シャマルが男を私の方へ突き飛ばす。男の怯えた顔、震える体。馬鹿みたい。財力もない、賢くもない男なんて私にとって価値はない。つまり、酌量の余地なし。すぅ、と息を吸い込んで男が逃げる態勢を整える前に極上の笑顔で別れを告げた。そして一吹き。それでおしまい。

「ヒュー、凄いね」
「気持ちが入ってないわよ」
「おじさんの助けなんて要らなかったかな」
「それについては純粋に感謝しておくわ」

現にシャマルがここにこなければ、私は死んでいただろう。忌々しくもあの男は出会い頭に抵抗の術であるトランクを奪っていた。彼が男やその部下たちの動きを抑えていなければトランクを取り返すことはできなかったし、純粋な肉弾戦ではやはり男の方に分がある。素直に「助かったわ、ありがとう」と告げるとシャマルは困ったような顔をしたのだと思う。安堵からか情けないことに涙線が緩み、滲んでしまった視界では正確な状況判断なんてできない。ぐい、とシャツの袖で目元を拭うとシャマルが私の頭をくしゃりと撫でた。

「殴られたところは冷やした方がいい、行くぞ」
「っ、そもそもどうしてアンタがこんなところにいるのよ」
「ん?救急コールが聞こえた気がしたから来てみた」
「…電波?」
「おじさんはかわいこちゃんのピンチに駆けつけるのさ」
「どんなヒーローよ、それ…」

軽口のせいで感謝の気持ちなどどこかにいってしまった。どっと襲い来る疲れに肩を落とす。血溜まりを避けながら歩く。こちらのプライドを傷つけない物言いが少しだけ有難く感じたのは内緒の話。


愛も涙もいるもんか



(タイトルはceleste様からお借りしました。)(気分転換にちょっと長めの短文。本当はもっと長かったのですが前後が気に入らなかったのでぶった切りました。殺し屋同士どこかで接点があるといいのに。ドクターの話し方が分かりません。)

綱吉と捏造ヴェルデ。
捏造駄目な方は逃げてください。






ヴェルデが俺に甘えてくることは少なくない。だから背中から抱きつかれた時もいつものことだと何も言わずに許して、目の前の書類に集中していた。自分よりも少し低い体温がじわじわと伝わってくるのは気分が良いというのか悪いのか不思議な感覚だ。目を通し終えた書類にサインを書こうとしたとき首に鋭い痛みが走った。「っ」息が詰まり、反射的に痛みを感じた箇所に指を這わすと、くっきりと歯型がついていた。噛み切られていたら致命傷だったと考えながら、自分の油断を恥じる。その次に浮かんだのはどうしてヴェルデが俺の首に噛みついたのだろうと疑問だった。ヴェルデといえば困ったように微笑を浮かべている。

「ヴェルデ」
「なんですか、ツナヨシ」
「何で噛みついたの?」
「・・・・・・」
「・・・ヴェルデ?」
「無防備な首があったから、ふと噛んだらどうなるかなあって思ったんです」
「そっか」
「怒らないんですか?」
「本人が反省しているのに、怒る必要があるかな。それに」
「それに?」
「君が思ったことをすぐに実行したがるのは、知っているし」
「・・・・・・」
「対処できなかった俺が悪いんだし」

もう平気?それとももう少し甘えてみる?おどけたように訊ねると、やっと安心したように彼はゆっくりと息をついた。「もう少し、傍に居てもいいですか」遠慮がちにかけられた声に隣の椅子を叩くことで答える。肩にもたれかかる体温は矢張り俺よりも少しだけ低かった。


それは微温湯のような




髑髏と綱吉。
1年くらい前に書いたのを発掘。






「たとえば、夢や幻ではなく」

「生身の骸様がそばにいてくれたなら」

「わたしはもっとしあわせかもしれない」

私は我儘だからひとつ幸せを手に入れると新しい幸せが欲しくなるの。ねえボス。骸様を仲間外れにしないであげて欲しいの。ソファでうたたねをしているボスの手を取り両手で包んだ。伝われ、伝われ、と祈りを込める。

「…髑髏?」
「…ボス」

うっすらと目を開けたボスが不思議そうに私を見つめている。寝ぼけ眼に不安そうな自分の顔が映る。言ってしまおうか。言ったら叶えてくれるだろうか。叶えてくれることを望んでいるくせに戸惑うなんて矛盾している。この人は優しい。優しいからきっと私の我儘のために力を貸してくれるだろう。だけどそれを骸様は望むだろうか。そんなことを考えるといつもどうにもならなくなるのだ。


願いは宙に浮かんだまま


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