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過去作品リサイクルそのいち。
FT ミストガンとラクサス。まだジェラールを倒す前辺りの頃。
霞かかった視界は数度の瞬きで元に戻る。眠りについたギルドメンバーを見渡した後、視線をリクエストボードの方に向ければ予想通りの姿がそこにあった。
「よぅ。相変わらずだな」
全員が眠りについていたと油断していたらしい相手は肩をびくりと跳ね上げた。無様な姿に思わず笑い声を漏らすと不快感を露わにしながらミストガンが振り向いた。
「ラクサス、いたのか」
「俺が俺のギルドにいて悪いか?」
「そうとは、言っていない」
「手前こそギルドの奴らに姿くらい見せてやればいいだろ」
そんなに必死に姿を隠して馬鹿みてぇだ。こいつらに知られたくない疚しいことでもあるのか?安い挑発にミストガンが乗ることはないと思いつつも言わずにはいられない。ラクサスが言葉を重ねるとミストガンはバンダナの隙間から見え隠れする誰かに似た瞳を伏せ「お前ほど腹に黒いものは抱えていない」と告げた。意味深な言葉はミストガンには珍しい程に悪意と敵意を織り交ぜたものだ。胸の奥の傷を引っかかれたような痛みをかき消すために「ふざけるなよ」と吐き捨てる。沸き上がる怒りをぶつけようとしても相手は既に消えた後だった。
傷物同士
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