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木吉と古橋




「例えば数学の公式、みたいに、定義されていたなら、あいつも、こんなにまどろっこしい真似をしないで済んだのだと、思う。」
「……達観したふりはもう辞めて、諦めて足掻けばいいだろう。あいつはできないだろうから、お前が代わりに。まだ、今なら間に合うと思うぞ。」


どうやら目の前の男は俺から逃げるという選択肢を奪う気しかないようだ。仕方ない。こうなったら意地でも幸せしてやろうじゃないか。


「じゃあ探しに行くとしよう、あいつが幸せになる方法を。」
「『俺達が、』の間違いだろう。」


君が幸せにならなければ、俺達のそれは訪れないので、全力を賭すことに決めました。 





花宮に一方通行。古橋君と木吉さんがタッグ組んだらきっと花宮さんの精神が保たないとおもう。
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「黒子っちは、何でも一つ願いをかなえてくれる魔法があったら、なにを願うっすか?(才能、とか体格とか?)」
「マジパのバニラシェイクが永遠に湧き出す魔法の容器。」

***


「それに黄瀬君、勝利なんてものは、誰かにかなえてもらうことではなく、自分たちでかなえるものですよ。」
「そんなにわかりやすく顔に出てたッスか?」
「かなり。」

***



「黄瀬くんは願い事がかなうとしたらなにを願うんですか?」
「黒子っちがずっとそばにいてくれますように!」
「僕が君を好きでいますように、ではないんですね。」
「?気持ちを強制して、何の意味があるんすか?とりあえずそばにいてくれたら、俺の良さに気づかせてみせるっス!」
「きみのそういう潔いところ、嫌いじゃないです。」
「そこはすきって言って欲しかった!」

***


「真ちゃんならおは朝のラッキーアイテムが手に入る壷とか?」
「あれは人事を尽くして準備することに意義があるのだよ。」
「手に入らないもう終わりだってトラウマを抱えそうになっていたヤツがよくいえたもんだ。」


Q.ひとつだけねがいがかなうとしたら


突然始まり突然終わる。







最近繰り返しみる夢は正体不明の追っ手から逃げているものばかりで、俺は学校鞄片手に全力疾走をしている。時折黒服のいかにもまともな御職業の方ではありませんという人に襲いかかられそうになるのを間一髪で避けつつ必死に逃げている。どうして逃げているのかわからないけれど捕まってはいけないことだけが夢の中の俺の頭を占めていて、そんなことを酸素の足りない頭の片隅で考えていたら頭上の歩道橋から飛び降りてきた黒服に肩を突き飛ばされて歩道の上を転がる羽目になった。勢いがついていた分よけいに痛い。長袖を着ていたのが不幸中の幸いだが、それどころではない。黒服の振り上げた拳が直撃する前に体勢を整えなければ、と片膝をついて起きあがろうとしたところで相手の顔面に見慣れたボールが直撃した。

「なにしてんだよ、黄瀬。」
「そうですよ黄瀬くん。余計なものは捨てて、さっさと逃げますよ。」

命より大切なものはないでしょうといつの間にか現れた黒子っちが俺の鞄を掴み、青峰っちにパスをする。いやその中には財布とか定期とか携帯とか自分には必要なものが入っているのだと取り返そうとした時にはもう鮮やかに黒服の腹部に叩きつけられていた。バランスを崩され無様に倒れ込んだ黒服を横目に青峰っちが俺の腕を引いて走り出す。

「ほら、いきますよ。」

余計なものは持ちませんといいながら俺の右側を走る黒子っちが持っているのはバスケットボールとバニラシェイクで、走りながら器用にストローをくわえるその姿につっこみをいれたくなったがやめておいた。左側を走る青峰っちは器用にドリブルをしながら俺より早く走っている。その手にあるのがバスケットボールだけなら格好良かったのだが、生憎彼のズボンのポケットにはお気に入りのグラビアアイドルの雑誌が折り畳まれて入っており、堀北マイちゃんと目を合わせる羽目になった。なんというか突っ込む気力も失せた。俺の大切なものは全部おいてきてしまったなぁと感傷に浸りかけ、でもこの二人がいればいいかと臭いことを思ったのも束の間「そうだ、黄瀬。」振り返った青峰っちが雑誌の入っているのとは反対側のポケットからどう考えても入るはずのない、見慣れたオレンジの球体を取り出しこちらに放った。ちょっと待って。


きのうみたゆめのはなし
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