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「ねぇ、まだ復活しないの。骸ちゃん」
「もう少しかかりそうですね」

いい加減足が痺れてきたしこの体勢にも飽きてきた。少しだけ呆れを混ぜて、けれどあくまで軽い感じに問いかけると他人事のような返事が返ってきた。もうどれだけの時間、私は骸ちゃんに膝枕をしているのか。そろそろ動きたい。時は金なり。これだけの時間があったらどれだけの金が稼げたかしら、と頭の中で電卓を取り出す。用意しただけで止めた。馬鹿馬鹿しい。

「骸ちゃん」
「すみませんねM.M。でも安心してください。ちゃんとこの分の報酬は払いますよ」
「うん」

そもそも骸ちゃんが人前で弱いところを見せるなんて珍しいことだ。一昔前なら地面から空にむかって雨が降るくらい信じられないことだった。最近は当り前のように他人を頼り頼られるようになってきたが、それでもプライドの高い骸ちゃんはなかなか弱音を吐かない。人間味が増した、と言うべきなのかは疑問。ただ彼にも護りたいものが増えてしまったのだろうとは思った。犬や千種やあの少女にボンゴレ。なんだかんだ言って、彼らのために神経を磨り減らしているのは見て取れる。

「呆れたものよね」

アンタも私もいつから自分が一番じゃなくなったのかしら。


愚か者と嗤えたら


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