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昔書いていたらしきものを発掘。
黒い綱吉が駄目な方は引き返してください。






「ねえ、そんなにすべてを拒絶して憎んで、疲れない?」

軟禁状態の俺の前に唐突に現れたボンゴレ10代目候補は、開口一番とんでもないことをのたまった。ふざけるな。お前がそれをいうのか。

「そう思うなら、さっさとくたばれ」
「それは俺に?それとも9代目に?」
「どっちも。何しにきやがった。俺は手前なんて顔もみたくねえ」
「あっはっは。嫌われたもんだよね」
「わかっているならさっさと失せろ」
「質問に答えてくれたらね」
「どうだっていいだろうそんなこと」
「よくないよ。俺はボンゴレにいろんなものを奪われた。お前だってそうじゃないのか」
「奪われた?お前が?」
「だってXANXUSは10代目になりたかったかもしれないけど、俺は逆だったからなりたくなかったよ。こんな物騒な職」
「はっ」
「気付いたら、後戻りできないようにされていたけどね」

これは誰のせいなんだろうね。にっこりと笑うそいつは指輪をはめたときに垣間見た初代に似ていた。以前では見ることのできなかった笑い方に含まれた計り知れない憎悪に背筋に冷たいものが走る。こいつをこんな風にしたのは誰だ。

「XANXUS。俺はボンゴレをぶっ壊すよ、お前はどうする」


狂った歯車

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今日も楽しかったな。幸せです。そんなことを思いながら眠りに落ちる。意識を手放そうとしたときに、半分既に眠っている耳が優しい旋律を聞いた。英語ではなくましてや日本語でもない、知らない言語で紡がれるそれは子守唄だろうか。ビアンキさんにしては高い声だ。必死に眠気と戦いながら重い瞼を持ち上げて歌い手を探す。薄暗い部屋の中、テーブルに肘をついたM・Mが目に入った。そうか、彼女の声か。そういえばハルはM・Mが何処の国出身なのかも知らない。今度聞いてみようかな、そんなことを考えながら優しい歌に聞き惚れる。
「きれい、ですねぇ」
思わず呟けば、M・Mは起きているとは思わなかったと言わんばかりに困惑した表情でこちらを見た。旋律が途切れてしまったことが残念で、黙って聞いていれば良かったかなとほんの少し後悔した。
「歌の意味はわからないですけど、素敵な歌です」
言って、くっつこうとする瞼を持ち上げて彼女を見る。余程私が眠そうに見えたのか、M・Mは「眠っちゃいなさいよ」と苦笑いを浮かべた。きれいな笑みを見届けてから目を閉じる。(寂しそうにみえたのは気のせいだったんでしょうか)再開された旋律に、疑問は打ち消される。穏やかな旋律はゆらゆらとまどろみに溶け、心臓の音と混ざっていく。緩やかに夢の世界に落ちる寸前に「おやすみなさい」と淀みない綺麗な日本語が聞こえた。



昔の拍手文。
XANXUSとハル/綱吉と骸/黒曜2つ。






「おい」
「なんですか」
「近い」

なんですかもなにもあったものではない。異様な視線と気配を感じるので眠気に打ち勝ち目をあけると黒い大きな瞳が俺の目を覗き込んでいた。近い。このまま少しでも体をずらせば接触するのではないかと硬直する。この女はそんな危機など全く感じていないようだ。「やっぱりXANXUSさんの瞳の色は不思議ですよね。ツナさんもそうなんですけど」言われて、日本人から見ればヴァリアーの面々など珍しい者の集団じゃねぇかと思う。瞳の色を見たいのなら断ってからにしろ、と言おうとして漸く気づいた。俺は眠っていたはずだが、と。







「綱吉君?」

いやに静かな部屋にそろりと入り込むと部屋の主は寝息を立てて夢の中だった。机に伏せるような状態で眠る彼の肩には誰かのコートがかかっている。机の上の状況が、彼が眠ってから何人かが出入りしたことを物語っていた。(随分と無防備ですね)「今なら綱吉に契約できるだろうね」心を読まれたかのように放たれた言葉に振り向く。それまでちっとも気配を感じなかった自分の平和ボケに腹を立てながら、殺気の元に微笑みかける。彼はこれほどの量の殺気を果たして何処に隠していたのか。ソファの影から現れた殺気の主に戦う意思はないことを示す。ああそうか彼を番人にしていたのならば誰も手をだせまい。その役目が自分でないことが酷く悔しいなんて思った。






「千種はあの子が泣いたの見たことある?」
「ないけど」
「あの子と一緒に寝たことある」

ちょっとそこで言葉に詰まらないでくれる?ただ添い寝したことがあるかどうかよと聞くと「あまりない」となんとも曖昧な答えが返ってきた。「でも彼女はM・Mと同じ」なんていうから何かと思えば「丸まって眠る」と千種はいう。それがなんだというのか。確かに私は眠るときに身体を丸めているらしい。それは何度か骸ちゃんにも聞いた。でもそれってただの癖でしょといえば千種から返事はない。そっと髑髏の寝顔を見れば左目から透明な滴が流れていた。以前ハルが話していたことを思い出す。悲しい夢でも見ているのか。でも普段泣かない子ならばきっと止めなくていいのだろう。私も寝るから、あとよろしく。言えば、千種は読んでいた本から顔を上げずに頷いた。






※上の話と微妙に繋がってます。



「なにしてんの」
「本読んでる」

見回りから帰ってきた犬が飛びつきながら問いかけてきたのでそれを避けながら「見ればわかるだろ」とあしらった。「柿ピ冷たい」犬は不満げに唸りながらふとソファの方をみやる。そこで眠っている二人の姿をみて「げっ」とこの上なく嫌そうな声をあげた。おとなしくしていないと怒られるよ。よっぽど寝起きで機嫌が悪い状態のM・Mが怖いのか犬は素直に床に座った。「なんであいつら丸まって眠るんだろね」「犬もよく丸まって眠ってるよ」「そうらの?」「うん」返事は犬の腹の音にかき消された。「弁当、向こうにあるから食べておいでよ」指した方に凄い勢いで消えていった犬に呆れながら、ふたりを眺める。いつだったか読んだ動物の習性を思い出した。自分も丸くなって眠るのだろうか。


※捏造設定注意。
 大人スカルがトマゾのボスと一緒にいます。
 







 昨夜の記憶は曖昧だが、周りに転がっている酒の空き瓶と部屋の様子、そして室内に充満している酒臭さから容易に想像がついた。思考を巡らせようとするが鈍い痛みがそれの邪魔をする。するけれども考えなければならない。何故我らが信愛なるボスは俺と片手を繋ぎ、俺の上に覆いかぶさって眠っているのか。顔を横に向けると幸せそうな寝顔があって思わず和むが、重力は俺にだけ特別に遠慮してくれるわけでもなく、正直重い上に痺れている気がする。一体何時間こうしていたんだろうか。

「ドントマゾ」

遠慮がちになりつつも、はっきりと声に出して呼びかけてみる。返事はないけれど呼吸のリズムから起きていることは分かっているのだが、このボスはあくまで寝たふりを続けるつもりらしい。

「起きなくてもいいから退いてください」
「ん」
「重いです。潰れます。いろいろ中身が出ちゃいます。限界です」
「さっきまで気持ちよさそうに寝てたのに」
「いつから見てたんですか」
「スカルちゃんが起きる少し前」
「・・・・・・・・」
「あ、その目は酷い。傷つくよ」

呆れて言葉を失いつつ、じと、と責めるような視線で退くように促すと「じゃあこうならいいかな」と俺の顔の横に手をついて、ロンシャンが身を起こす。繋いだ手は離さないまま、至近距離に顔が近付けられた。赤茶色の前髪は重力に従って落ちてきて、色素の薄い瞳に壁を作る。

「おはよ」
「おはようございま・・・じゃなくて、手を離してください」
「えー」

繋がれたままの自分の左手とロンシャンの右手は二人分の熱が混ざっている。しっかりと握られた痺れも加わり始めていて、思わず顔を顰めた。振り解こうと足掻いてみるものの、無駄に終わりそうだ。ロンシャンが片頬だけ引き上げて少しだけ意地悪そうな笑みを作る。彼の体温は俺よりも大分高くて(他の人に言わせれば俺が低すぎるらしい)このままでいたら溶けてしまうんじゃないかと馬鹿な想像をしてしまうくらいに心地よくて怖くなった。

「だってさ、折角くっついたんだよ。離れるのって勿体なくない?」

同じことを考えていたことが嬉しくて恥ずかしい。俺の心を見透かしたようなロンシャンから降ってくる笑い声から逃げるように首を背けると、襖の隙間から光が一筋差し込んでいるのが目に入った。恐らく一般人は活動を開始している時間帯だろう。今日の予定を頭の中で整理する。今日が締切の書類はすでに提出済みだから無いはずだ。仕事は打ち合わせが二件と会議がひとつ。今から準備をして・・・

「・・・スカルちゃん?」
「なんか馬鹿らしくなりました。もういいです。今日は自主的に休みにします」
「あはは、いいじゃん。一緒にごろごろしてよう」
「なんだか貴方に逢ってから俺はどんどん駄目人間になっていく気がします」

溜息をついて油断をした瞬間に「てやぁ」と掛声を上げながら抱きついてきたロンシャンの重さをもろに受け、ぐぇっと間抜けな声を上げた。ちょっとだけ轢かれた蛙の気持ちが分かったかもしれない。

「いいじゃない、人生楽しんだ者が勝ちだよ!」

まだ慣れない布団という寝床も畳のイ草の匂いも天井の怪しげな木目も欄間の不思議な模様も襖の独特な質感も障子越しの淡い光もこの人が好きならばいつかは自分も好きになれる気がした。

嗚呼なんて君は卑怯!


(タイトルはmythomanie様からお借りしました。)(捏造全開。うちのスカルさんはカルカッサが潰れた後にトマゾに迎えられてます。何が酷いって勝手にカルカッサを潰すなという話です。反省はしています。後で捏造設定は纏めたいなぁ。)

以前書いたオレンジ話をアフェランドラ隊の三人でリベンジ。






「苦い」
「何が」
「オレンジ」
「…普通オレンジは甘いんじゃないのか」
「苦い」

それは一体どういうことかと目を通していた書類から顔を上げると可愛い弟分こと野猿がオレンジを皮ごと齧りついていた。ボスのペンダントと同じ鮮やかな色の球体は一部だけ白く歪に欠けている。欠けた部分は野猿の空いた手の中にあるらしい。顎でごみ箱の場所を示してやると素直に齧った部分をごみ箱に投げ捨てた。

「野猿、オレンジは皮だけ食うものじゃないぞ」
「皮ごと食べると美味しいってニゲラが言ってた」
「皮ごとだろ。齧るなら中身も一緒にしろ。皮だけじゃ不味いってことだ」
「…ん、もういい」

野猿はテーブルの上に置いてあるアイスティーに手を伸ばす。が、それを黙って見過ごすわけにはいかない(なぜならばそれはボスが俺のために入れてくれたアイスティーだからだ)。舌打ちと警告をしようとすると黙々と仕事をしていた太猿が「それは飲むな。冷蔵庫に冷えたのがある。序に俺の分も持ってきてくれ」と口を挟んだ。ナイスフォローだが少しばかり虚しい。
置き去りにされたオレンジを見ながら「ナイフを持ってくるように言えば良かったな」と呟くと太猿がおもむろにオレンジを手に取りそのまま齧りついた。抉れたオレンジから皮よりも濃い橙色が瑞々しく輝いている。ゆっくりと味わってから咀嚼したらしい太猿が「必要ない」と笑う。つられて笑うと、戻ってきた野猿が「兄貴?太猿兄貴も何笑ってんのさ」の不思議そうに尋ねてきた。返事の代わりに太猿からオレンジを受け取って野猿に差し出す。受け取った野猿は嬉しそうにソファに座るとオレンジに齧りついた。


(うまいか?)(ん!)(そりゃあよかった)

ある日の他愛もない話


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