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昔の拍手文。
XANXUSとハル/綱吉と骸/黒曜2つ。






「おい」
「なんですか」
「近い」

なんですかもなにもあったものではない。異様な視線と気配を感じるので眠気に打ち勝ち目をあけると黒い大きな瞳が俺の目を覗き込んでいた。近い。このまま少しでも体をずらせば接触するのではないかと硬直する。この女はそんな危機など全く感じていないようだ。「やっぱりXANXUSさんの瞳の色は不思議ですよね。ツナさんもそうなんですけど」言われて、日本人から見ればヴァリアーの面々など珍しい者の集団じゃねぇかと思う。瞳の色を見たいのなら断ってからにしろ、と言おうとして漸く気づいた。俺は眠っていたはずだが、と。







「綱吉君?」

いやに静かな部屋にそろりと入り込むと部屋の主は寝息を立てて夢の中だった。机に伏せるような状態で眠る彼の肩には誰かのコートがかかっている。机の上の状況が、彼が眠ってから何人かが出入りしたことを物語っていた。(随分と無防備ですね)「今なら綱吉に契約できるだろうね」心を読まれたかのように放たれた言葉に振り向く。それまでちっとも気配を感じなかった自分の平和ボケに腹を立てながら、殺気の元に微笑みかける。彼はこれほどの量の殺気を果たして何処に隠していたのか。ソファの影から現れた殺気の主に戦う意思はないことを示す。ああそうか彼を番人にしていたのならば誰も手をだせまい。その役目が自分でないことが酷く悔しいなんて思った。






「千種はあの子が泣いたの見たことある?」
「ないけど」
「あの子と一緒に寝たことある」

ちょっとそこで言葉に詰まらないでくれる?ただ添い寝したことがあるかどうかよと聞くと「あまりない」となんとも曖昧な答えが返ってきた。「でも彼女はM・Mと同じ」なんていうから何かと思えば「丸まって眠る」と千種はいう。それがなんだというのか。確かに私は眠るときに身体を丸めているらしい。それは何度か骸ちゃんにも聞いた。でもそれってただの癖でしょといえば千種から返事はない。そっと髑髏の寝顔を見れば左目から透明な滴が流れていた。以前ハルが話していたことを思い出す。悲しい夢でも見ているのか。でも普段泣かない子ならばきっと止めなくていいのだろう。私も寝るから、あとよろしく。言えば、千種は読んでいた本から顔を上げずに頷いた。






※上の話と微妙に繋がってます。



「なにしてんの」
「本読んでる」

見回りから帰ってきた犬が飛びつきながら問いかけてきたのでそれを避けながら「見ればわかるだろ」とあしらった。「柿ピ冷たい」犬は不満げに唸りながらふとソファの方をみやる。そこで眠っている二人の姿をみて「げっ」とこの上なく嫌そうな声をあげた。おとなしくしていないと怒られるよ。よっぽど寝起きで機嫌が悪い状態のM・Mが怖いのか犬は素直に床に座った。「なんであいつら丸まって眠るんだろね」「犬もよく丸まって眠ってるよ」「そうらの?」「うん」返事は犬の腹の音にかき消された。「弁当、向こうにあるから食べておいでよ」指した方に凄い勢いで消えていった犬に呆れながら、ふたりを眺める。いつだったか読んだ動物の習性を思い出した。自分も丸くなって眠るのだろうか。


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